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第55回:「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。さて、また大きな地震が起きてしまいました。今回も休日、14日土曜日の午前8時43分、岩手県内陸南部を震源とする、マグニチュード(M)7.2の地震が発生しました。阪神・淡路大震災を引き起こした地震がM7.3でしたので、ほぼ同規模ということになります。この地震により、岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強が観測されました。
今回の地震による被害は、この原稿を書いている19日の時点で、死者11名、行方不明者11名、負傷者302名などとなっています。大きな災害になってしまいました。被災された方々に、心からお見舞い申し上げます。
http://www.bousai.go.jp/saigaikinkyu/2008-iwate-cao-005.pdf

震源が深さ10kmと、地殻内の浅い地震であったことが特徴です。浅いので、地表の揺れが大きくなります。また、上下方向の揺れが水平方向の約3倍あり、上下に断層がずれる逆断層型地震ということがわかります。また、最近は、震動の強さを図る目安として、加速度(ガル)が注目されています。電車や自動車が急に動き出すと、ガクンと体に圧力がかかりますよね。これが加速度(速度の変化)です。今回の地震では、国内最大級の4022ガルという加速度を瞬間的に記録しています(防災科学研究所)。観測点が震源に近かったこともありますが、阪神・淡路大震災の時の818ガルの5倍近くです。スペースシャトル打ち上げ時の加速度が約3千ガルといいますから、いかにすごいかおわかりでしょう。重力加速度が980ガル、約千ガルで、これを超える揺れだと、固定していない物が飛び上がることになります。

今回の地震も、要注意とされていなかったところで発生しました。今回の地震の震源域付近ではM6を超える地震が時々発生していますが、M7を超える地震は1896年8月31日のM7.2の地震(陸羽地震)以降発生していなかったのです。

今回の地震では、市街地における住宅の倒壊よりも、山間部の土砂災害、特に「山体崩壊」と言ってもよいほどの大規模な土砂崩落が目立ちます。亡くなった方に、山間部での観光客、工事関係者など、住民以外の方が多いのも、そうした地震の特性と関係がありそうです。火山地域で地盤がもろく、雪解け水を含んでいたなどの原因が考えられますが、地盤がもろい地域は、日本では決して珍しくありません。地震による地盤災害とよばれる事例も、実はかなり多いのです。1984年の長野県西部地震では、長野県王滝村で御嶽山が山体崩壊とよべるほどの大規模な崩落を起こしたほか、各所で斜面崩壊を生じ、死者行方不明者29名を記録しました。その中には、温泉旅館の流失やキノコ狩りなどの最中に被災した人も含まれるなど、今回の災害と同じような傾向が見られます。

ちなみに、歴史に残る山体崩壊としては、「日本三大崩れ」というのが知られています。静岡県安倍川上流で、宝永4年(1707)の大地震で崩壊した「大谷崩れ」、安政5年の飛越地震により、富山県常願寺川最上流、立山カルデラの鳶山付近が崩壊した「鳶山崩れ」、それから、長野県姫川水系の浦川流域の斜面が明治44年(1911)、突如大崩壊を起こし、土砂を流出して姫川をせき止めた「稗田山崩れ」です。最後の稗田山では、川をせき止めた土砂が決壊して大洪水を起こし、流域に大きな被害を与えました。

 今回の政府の対応をご紹介しますと、この日記でもお伝えしたことがありますが、緊急参集チームが地震発生直後の8時50分に招集され、総理官邸に対策室が設置されました。地震の規模が大きかったことから、その日のうちに、防災担当大臣を団長とし、国土交通副大臣をはじめとする関係省庁からなる政府調査団を岩手県及び宮城県へ派遣しています。自衛隊をはじめ、警察広域緊急援助隊、緊急消防援助隊等が派遣され、救助活動等を実施したことは、報道でご承知の通りです。

岩手県警察では、ちょっとユニークな被災者支援対策を行っています。女性警察官5人からなる「イーハトーブ隊」を臨時に結成し、奥州市等の避難所に派遣し相談活動を実施したということです。宮城県警察も、女性警察官を含む10 数人で「栗駒シャクナゲ隊」を編成、栗原市栗駒の避難所を中心に派遣しています。

国土交通省では照明車、衛星通信車など災害対策用車両を派遣していますが、二次災害のおそれのある土砂崩れ現場などで威力を発揮しているのが、遠隔操作式バックホウで、これも4台を派遣しています。また、この日記でもご紹介した、緊急災害対策派遣隊TEC-FORCE(緊急調査団)が、初出動しています。現時点まで303班、743名が派遣されています。http://www.mlit.go.jp/common/000017464.pdf

 現地では余震も続いており、これから梅雨入りして雨も降ります。とても心配な状況ですが、関係機関が連携して、救助、復旧、復興に向けた取り組みが進むよう、私たちも全力を尽くします。

この原稿を書いているのは19日早朝ですが、九州北部は梅雨前線の活発化により大雨です。どこにお住まいであっても、災害への備えを怠らないようにしてください。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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