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第51回:「水防工法のいろいろ:嘉瀬川での水防演習」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。

九州地方整備局では、さる5月11日、佐賀県を流れる嘉瀬川の河川敷(バルーンフェスタの会場になるところです)で、大規模な水防演習を実施しましたので、今日はそのご報告をしましょう。
http://www.qsr.mlit.go.jp/takeo/hotnews/hotnews02/h20hotnews/080512.pdf

 正確には、嘉瀬川を含め、六角川、松浦川を含めた7会場で実施、しかも佐賀県の総合防災訓練と共同開催という大がかりな内容でした。地方整備局と県が共同開催する訓練は、九州では初めてのことです。

 関係自治体や消防、水防団、警察、自衛隊、医療機関、建設業協会、ボランティア団体など、57機関、約3500人が参加しました。

 どんなことをしたかといいますと・・・ まず、土のう作りです。これは、小学生が中心になって体験学習的に行いました。私も、子供たちと一緒にやってみました。あまり満杯にせず、7分目くらい、約30kgあたりが目安と言われています。結び方にはコツがあるのですが、これは専門家がやってくれました。

 さて、堤防から水が溢れそうになる(越水)と、「積み土のう工法」、要するに土のう積みが必要になります。ただ積んでいるわけではなく、実際に見てみると、1段目から3段目くらいまでは互い違いに積んで、間に土を盛ります。結び目は下流側に向けます。最後に、必要に応じ、杭を打ち込みます。水防団の皆さん、さすがに手慣れていました。

 会場には、「月の輪工法」とか「釜段工法」という表示がありました。ご存知ですか?堤防の裏から、漏水した水が噴出しているような場合、放置すると水圧で噴出口が大きくなるので、堤防と噴出口を囲むように半円形に土のうを積みます。これが「月の輪」。堤防からやや離れた場所から噴出している場合は、土のうで円形に取り囲みます。これが「釜段」です。水防団の皆さん、あっという間に作業をされていました。

 堤防が洗掘されそうなときは、「シート張り工法」が必要になります。一見、ブルーシートを張るだけのようですが、実際見てみると、傘の骨のように竹串を結んだり、重しとして土のうを結びつけたり、意外に複雑な工法であることがわかります。

 堤防に亀裂が発見された場合は、一刻も早く対策が必要です。演習では、「繋(つな)ぎ縫い工法」が紹介されていました。これは、比較的大きな亀裂のときの工法で、まず、木の杭を何本か打ちこみ、堤防の上にも打ちます。その間を竹で繋ぎ合わせ、亀裂の進行を防止するやり方です。水防団の皆さんのきびきびとした動きが印象的でした。

 さて、演習では、水防だけではなく、地震直後の応急対応訓練も同時に実施されました。陸上自衛隊のヘリによる佐賀大付属病院医療チームの投入訓練、消防、県警による、座屈ビルや瓦礫からの救出搬送訓練、ヘリを使った重篤患者の緊急搬送訓練など、実践さながらのリアルな訓練内容が満載でした。

 中でも印象的だったものを2つ紹介しましょう。まず、陸上自衛隊の応急浮橋を使った避難、物資輸送訓練です。これは、いくつかのパーツを連結して浮橋を作り、ヒトや物資輸送車を載せて動力ボートで対岸まで移動させるものです。自衛隊の大型輸送車も搭載できるもので、スタンバイまでごく短時間だったのには感心させられました。

次に、演習の最後に実施された大規模火災消火訓練です。周辺地域から応援に来た消防車が、地元消防団からの中継送水により消火活動を行うというもの。今回は林野火災を想定していましたが、火災現場が水利から遠い場所にある場合は、何台かの消火ポンプを中継して消火活動を行う必要があります。取水場所、中継ポンプ、放水場所の連携を十分に行う必要があり、演習では多少準備に時間がかかりましたが、一斉に放水が開始された時は、大きな拍手がおきました。こうした広域的な連携を必要とする作業には、日頃の訓練がとても重要だと思いました。

最後に陸上自衛隊と福岡市消防局のヘリによる空中消火訓練。ヘリから吊された水嚢から直接消火するもので、最近は最大で5トン程度もの水量を運べるものもあるようです。河川から直接取水することも可能なので、機動的に消火を行うことができます。この訓練、初めて見た参加者も多かったようで、放水されると、大きな歓声があがっていました。

今回の訓練を通じて、国、県、市町村、消防・水防団、自主防災組織など、多くの関係者の連携が重要であることについて、参加者が認識を新たにしたことと思います。また、専門家による訓練を見ていると、とても頼りがいがあるように思えますが、何度も書いているとおり、身近な地域の防災力が最後には効いてくるのです。今年も、間もなく出水期を迎えます。水害への備えを怠らないようにしましょう。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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