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第50回:「中国四川省大地震」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。この防災日記も記念すべき50回を迎えました。毎回お読みいただき、ありがとうございます。

さて、前回はミャンマーのサイクロン被害について書きましたが、その後、今週12日午後、中国西部の四川省において大規模な地震が発生しました。アジアで立て続けに大きな災害が起きてしまいました。

5月12日15時28分頃(日本時間)、中国の四川省で発生した地震は米国地質調査所の解析では、マグニチュード7.9という巨大地震です。この原稿を書いている15日現在の報道では、犠牲者の数は1万5千人近くに上り、さらに四川省内で2万5千人以上が生き埋めとなっているとのことです。倒壊家屋も21万6千棟に及ぶなど、地震発生から時間が経過するにつれ、被害がどんどん拡大しています。こうした状況は、13年前の阪神・淡路大震災を思い出させます。最新の報道では、被災者数は四川省だけで1000万人を超えたとのこと。一帯の人口の半数に相当するそうです。被害の甚大な地域は6万5千平方キロに及び、雨も重なって、被災地の大部分で土砂崩れや土石流が発生しており、交通網の遮断から救援活動も困難な状況が続いているようです。本当に甚大な災害です。 

この地震は地殻内で発生した地震で、四川省を北東−南西方向に走る断層帯(竜門山断層)の一部が動いて起きたとみられています。断層が西北西−東南東方向に圧縮されてずれ、片方が持ち上がった逆断層型だったようです。米地質調査所によると、断層の規模は長さ約200キロ、幅約20キロという大きなもので、地震開始から約50秒かけて最初の断層が動き、10秒後に2番目の断層が約60秒かけて動き、揺れは約2分間続いたのではないか、と見られています。震源が深さ10kmと浅く、地表近くで最も大きくずれたため、それが被害の拡大につながったようです。震源近くでは地表に約7メートルの段差が現れているとみられています。

実はこの付近は、大きな被害を伴う地震が度々発生している場所です。1900年以降では、今回の地震の100kmほど北で1933年8月に発生したM7.5の地震により、死者6,865人の被害が生じました。また、今回の地震の700kmほど南で1970年1月に発生したM7.8の地震により死者15,621人の被害が生じています。

中国をはじめユーラシア大陸の大半を乗せたユーラシアプレートは、北上するインド・オーストラリアプレートとヒマラヤ山脈でぶつかり合っています。竜門山断層はユーラシアプレート上にあり、ヒマラヤ山脈からは離れていますが、両プレートのせめぎ合いで生じた歪(ひず)みがたまっていたと考えられます。

13年前の阪神・淡路大震災を起こした断層(六甲-淡路断層帯)は、南西から北東に伸びる約50kmと言われていますので、今回の断層のずれが、とても大きな規模であることがわかります。阪神・淡路大震災のマグニチュード(7.3)は、米国基準の「モーメントマグニチュード」だと6.9になり、マグニチュードは1つあがるとエネルギーが32倍ですから、阪神・淡路大震災を引き起こした地震の30倍のエネルギーだったことがわかります。

テレビの映像で見る限り、現地の建築物は、耐震性が弱いものが多いような印象を受けました。火災などが多発しているようではないので、犠牲者の多くは、やはり建物倒壊によるものと思われます。しかし、一般家屋だけではなく、学校などの公共的建物までが倒壊していることは、ショックでした。ちょうど午後の授業時間帯だったこともあり、児童生徒が倒壊した校舎の生き埋めになっているという状況は、何とも残念です。日本では、学校は避難所になる場所でもあり、数年前から全国で耐震化を急いで進めていますが、これは何としても急がれることだと痛感します。

実は中国には地震局という組織があって、地殻変動はもちろん、地下水や井戸水までも常時観測する体制をとっています。1975年の2月、遼寧省でM7.3の地震が発生したときは、直前の前震活動があったため、防災体制を強化、人々を屋外に避難させるため、映画上映会を開催していたところへ地震が発生、「地震予知」に成功した事例として有名になりました。その後も、いくつかの地震について直前の避難措置が効を奏したこともありましたが、1976年の唐山地震(M7.8)のように、「予知」がなされず、24万人を超える死者が出た事例もあります。

地震を正確に予知することは現時点では困難だと考えられています。わが国でも、東海地震については「地震予知情報」を出すことを想定していますが、それは、実際に地震発生の端緒を捉えた場合であるし、それも間に合わずに突然発生することも想定しています。予知に関する研究を進めることも必要ですが、現時点では、それを過信せず、建物の耐震化を進めるなど、命を守るために確実に必要な備えを怠ってはいけないと思います。隣国の災害に心痛めつつ感じたことです。

それではまた来週。

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渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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