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第46回:「警固断層でM7.2の大地震が発生したら」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。先週11日、政府の「地震調査研究推進本部」が、警固(けご)断層帯で発生するおそれがある地震の最新の評価結果として、想定される震度分布等を公開しました。今日はその内容をご紹介しましょう。
http://www.jishin.go.jp/main/kyoshindo/08apr_kego/index.htm

「地震震調査研究推進本部(本部長:文部科学大臣)」は、我が国の地震調査研究を推進するための政府の特別機関で、一定規模以上の地震について、随時評価を行っています。我々は、この本部のことを、「推本」と略称しています。

警固断層帯は、金印で有名な志賀島(しかのしま)北西沖の玄界灘から博多湾、さらには福岡市中心部(中央区、南区)、春日市、大野城市、太宰府市を経て、筑紫野市に至る総延長55kmに及ぶ断層帯です。福岡市内では、西公園あたりから浜の町、さらに赤坂を通り、3年前の地震でも建物に大きな被害が出た大名や今泉地区を通過し、薬院を過ぎたあたりで西鉄天神大牟田線とほぼ並行して走っているのではないか、と推定されていますが、詳しいことは実はわかっていません。市の調査検討委員会が、本格的な試掘調査をする予定です。

さて、この警固断層帯ですが、過去の活動時期の違いから、玄界灘から志賀島付近にかけての、2005年の福岡県西方沖地震の震源域にあたる北西部と、志賀島南方沖の博多湾から筑紫野市までの南東部に区分され、後者が「警固断層」(延長27km)とよばれています。

北西部は、3年前にエネルギーを放出したので、ごく近い将来に再度動く可能性は低いと考えられるものの、南東部については、今後、マグニチュード7.2程度の地震が発生すると推定されています。これは、1995年に発生した阪神・淡路大震災(M7.3)にほぼ匹敵します。その際には、断層近くの地表面で、2m程度も、「左横ずれ」が生じる可能性があると考えられており、今後30 年以内の地震発生確率は0.3〜6%と、我が国の主要活断層帯の中では危険度が高いグループに属しています。

福岡平野や筑紫平野などでは、岩盤の上に、軟弱な地層が非常に厚く堆積しているため、地震波が地表面に及ぼす影響を予測・評価することは簡単ではありません。このため、今回推本では、地下の地盤構造についてモデル解析を行い、断層が最初に破壊される場所がどこかによって、4つのケース(博多湾内、福岡市内、大野城市付近、筑紫野市付近)の揺れ方をシミュレーションしています。結果は、いずれのケースにおいても福岡市内の広い範囲で震度6強以上、筑紫平野では北東部(筑後川中流域)の広い範囲で震度6弱以上、南西部の広い範囲で震度5強以上となっています。また、博多湾内または福岡市内(断層の北西側)から破壊が開始した場合には、破壊の進行方向にあたる筑紫平野北東部(うきは市、久留米市、小郡市、鳥栖市)の広い範囲で震度6 強以上が現れています。警固断層で影響を受けるのは主として福岡市内だと思いこまないほうがよさそうですね。

さて、地震は岩石に強い力が加わって破壊されることで発生します。地震のエネルギーであるマグニチュードは、この破壊の大きさ、広がり具合に影響されます。M8の地震では断層面の長さが100〜150km,断層のずれ(食い違い)の量は4〜5mとなります。また、M7の地震では、断層の長さが30〜40km、ずれの量が1.5〜2mというイメージで、警固断層の場合は、ほぼこれに相当すると考えられています。

断層が縦にずれる場合を「縦ずれ」、横にずれる場合を「横ずれ」と言います。東日本では前者、西日本では後者が多いと言われています。九州の地下は、プレートやマグマの影響で、南北方向に引っ張る力と、東西方向から押す力が働いており、警固断層の場合、断層面にそって、北西/南東方向に横にずれると考えられます。(実際は、縦ずれの要素もあり、西側が上がる形ではないか、とも言われています。)阪神・淡路大震災では、淡路島西岸の野島断層が動き、ずれ(食い違い)量1.5〜2mの右横ずれを生じたことがよく知られています。

福岡県防災会議が昨年3月まとめた被害想定によると、この地震による建物被害は木造建築物で全壊9,064棟、死者は最大754名と推定されています。福岡市によると、木造住宅の耐震化率はわずか40%だそうです。福岡市では、耐震改修を進めるほか、警固断層周辺で特に危険と推定される一帯で、一定の高さ以上の建物を新たに建てる際は、強度を関東並みの基準に引き上げるように条例を改めるなど、耐震改修促進計画の策定を急いでいます。安全に暮らせるまちにするため、皆で努力していきましょう。
http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/1490/1/toshi3kenchiku-plan.pdf

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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