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第45回:「あなたは無事に家へ帰れるか?」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。平日の昼間、都市で大地震が発生すると、大勢の人が「帰宅困難者」になります。このほど、内閣府がその本格的なシミュレーション結果を発表しましたので、今日はそれをご紹介しましょう。

首都直下地震について、中央防災会議に設置された「首都直下地震対策専門調査会」が、既に被害想定を公表しています。最悪のケースで、死者約1万1千人、建物全壊約85万棟という、阪神・淡路大震災を上回る大災害と予測されています。仮に平日の昼間発生すると、約1400万人が自宅以外の場所で地震にあう、ということです。すごい人数ですね。このような膨大な数の帰宅困難者等が自宅等に向けて一斉に帰宅を開始した場合、路
上では大混雑が発生します。場合によって死傷者が生じたり、応急対策活動が妨げられたりするなどの混乱が生じるおそれもあります。また、トイレや休憩場所が不足するなど、様々な問題も発生するでしょう。

このため、「首都直下地震避難対策等専門調査会」(座長:中林一樹 首都大学東京大学院教授)が設置され、帰宅困難者の問題を中心に検討を重ねていました。先週4月2日、同調査会が開催され、そこで、首都直下地震後に発生する道路の混雑状況やそれに対する対策の効果について、シミュレーションした結果がとりまとめられました。
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutohinan/080402/shiryo_1.pdf

 その結果は、なかなか厳しいものです。都内の道路は、帰宅困難者であふれかえります。「混雑度A」とよばれる、ラッシュアワーの満員電車の状態(1平米に6人もの人がひしめく)に何時間もあい、ほとんど前に進めない(1時間にわずか400m)状態になります。例えば、都心から和光市(約20km)まで、通常は歩いて5時間程度ですが、地震後は約15時間もかかり、そのうち9時間以上も満員電車状態にあう、という予測になります。

満員電車に30分も乗っていると、本当に疲れますよね。ましてや、そういう混雑状態で歩道を歩くということは、立っているだけではなくて、歩いていることで疲れるでしょうし、雨の日だともっと大変です。トイレの心配もあります。途中で火災がせまってきたりすると、大混乱になるかもしれません。

調査会では、こうした混乱が軽減されるいくつかのパターンを提示しています。まず、時差帰宅です。仮に、1/3の人が帰宅を翌日にずらした場合は、満員電車状態の道路に3時間以上滞在する人の割合は半分になります。半分の人が翌日にずらせば、この割合は約8割も減少するそうです。翌日にしなくても、いっせいに帰宅を開始せず、3時間ごとの時差をもうけるだけで、約2割減少するそうです。

こうした行動には、安否確認が大きく影響します。家族が無事であるかどうかわからなければ、心配で心配で、大混雑の中、無理をしてでも帰宅したいということになります。でも、家族が無事であることが確認できたら、少し様子を見てから帰宅しようと思う人が増えるはずです。シミュレーションでは、安否確認に24時間かかるというケースを想定していますが、それが6時間に短縮されると、混雑は約1割解消するとしています。

安否以外の情報も大切です。シミュレーションでは、徒歩帰宅者は現在いる場所の直近の道路の混雑状況しか把握できず、それ以外の場所の混雑情報や通行止情報は利用できないと仮定して計算しています。行ってみたら通行止めだった、ということがあちこちで発生し、混乱に拍車をかけます。もし、すべての道路の混雑状況や火災等による通行止情報が把握可能になったと仮定すると、混雑は約6割減少すると試算されています。携帯ラジオは必需品ですね。

シミュレーションは、混雑緩和に大きく影響するのは、「耐震化・不燃化等の推進」であるとしています。ちょっと意外ですね。震災による火災や建物倒壊がともに発生しないとした場合、3時間を超えて満員電車状態の道路に滞在する帰宅者は、約7割減少と、大幅な改善を見せることがわかりました。耐震化は、命を守るだけではなく、こうした効果も大きいのですね。

ところで、東京では最近、上記のシミュレーションに近いことが実際に起きているのです。平成17年7月23日、東京23区で13年ぶりに震度5強を記録しました。JR、私鉄、地下鉄すべてが止まり、運転再開まで最高7時間もかかりました。この間、およそ46万人がその場で立ち往生。各地の駅で混乱が見られました。

東京に限らず、福岡市のような大きな都市で大地震が発生すると、今回のシミュレーション結果のようなことがおきる心配があります。こうした混乱を避けるためにも、耐震補強の推進と、ご家族との安否確認方法をあらかじめ決めておくことは、とても大切だということを、今一度確認したいですね。

それではまた来週。

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渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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