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第43回:「全壊と半壊」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。大地震の際には、多くの住宅が被害を受けます。「全壊○棟、半壊○棟」などと言いますよね。ちなみに、昨年の新潟県中越沖地震では、全壊1,319棟、半壊5,621棟でした。13年前の阪神・淡路大震災では、全壊10万棟以上、半壊14万棟以上という、桁外れの被害を記録しています。さて、この「全壊」と「半壊」、どう違うのでしょうか?

災害が起きたとき、住宅の被害を認定するのは、市町村の仕事になりますが、認定基準が内閣府から出されています。
http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/gaiyou.pdf

定義上は、「全壊」は、補修しても住めないくらい壊れていること、「半壊」は、補修すれば住めるようになる、ということなのですが、これではわかりにくいので、認定のための数値基準が定められています。「損壊割合」がわかりやすいのですが、床面積の7割以上が損壊したり流出したりした場合が「全壊」、7割未満2割以上が「半壊」です。

でも、地震で傾いた家など、床は無事だけど、家全体が傾いて、とても住めない、ということもあります。屋根や壁、柱など、住宅の主要な構成要素に「ずれ」「傾き」「ひび」などの被害が見られる場合は、それを一定の割合をかけて計算し、「損壊割合」ではなく、「損害(経済的被害)割合」として算出します。この割合が5割以上を全壊、5割未満2割以上を「半壊」としています。

地震ではなく、洪水による被害などはもっと複雑です。長時間浸水すると、壁や床が外見上壊れていなくても、断熱材がダメになったり、畳をすべて取り替えなければいけない状況になります。そのような場合も壁や畳に損傷があると認定できるよう、平成16年に内閣府から通知が出されています。
http://www.bousai.go.jp/hou/pdf/higai.pdf

被災者生活再建支援法では、原則として全壊世帯に対し支援金が支給されるので、「全壊」か「半壊」かの認定は、慎重に行われます。また、全壊30世帯以上になると災害救助法の適用がある(市町村の人口規模等によって異なります)し、仮設住宅への入居要件等、「全壊」かどうかの判断は様々な施策の適用に影響してきます。

ただ、「半壊」でも、「やむをえず解体」した場合は被災者生活再建支援金が支給されるため、まだ補修できるのに解体する人が出る、との意見がありました。そこで、被災者生活再建支援法が平成16年に改正され、新たに「大規模半壊」世帯も支給対象とすることになりました。これにより、認定はさらに複雑になりました。この「大規模半壊」という言葉、実は私が命名したものですが、「半壊」のうち、大規模な補修を行わなければ住めない場合を指します。具体的には、「損壊割合」で5割以上、「損害割合」で4割以上が該当します。このほか、「半壊」に至らなくても、「一部損壊」という認定を受けることもあります。

この被害認定結果は、市町村から「り災証明」として被災者に発行されます。しかし、大地震直後は、この「り災証明」とは別に、家屋の「応急危険度判定」が出され、「危険」(赤)、「要注意」(黄)、「調査済」(緑)のステッカーが貼られます。この判定は「り災証明」ではないので、時として混乱が生じます。「危険(赤)」イコール「全壊」ではないからです。

応急危険度判定は、被災直後から実施されます。大地震により被災した建築物を調査し、余震などによる倒壊の危険性を判定し、避難場所に移動すべきかどうかを判断するもので、
判定結果は、建物の見やすい場所に表示され、居住者はもとより付近を通行する歩行者などに対してもその建物の危険性について情報提供することにしています。そういう趣旨なので、建築物の損壊や損害割合を見る被害認定とは違い、例えば瓦や窓枠などの落下の危険性があるということで「赤紙」が貼られることもあるのです。

応急危険度判定の結果として「危険」と書かれた赤紙を目にすると、上記のように、被害認定ではない、という紙面の詳細も読まずに大きなショックを受けてしまう被災者が多いようです。被害認定調査は、応急危険度判定終了後に行われるケースが多いので、その結果を待って、再建等の判断を行うようにしましょう。

住宅の全壊、半壊等の被害認定は、上に書いたとおり市町村の仕事ですが、市町村職員が大地震を経験するのは、たいてい初めての場合が多いですよね。突然の災害発生で、どのような実施体制を組めばよいかもわからず、結果として認定事務が遅れることも心配されます。そこで、内閣府では、「大規模災害時における住家被害認定業務の実施体制整備に関する検討会」を設置、去る3月12日に開催された第4回検討会で、「大規模災害時における住家被害認定業務の実施体制整備のあり方について− 事例と例示 −」の案が提示されました。
http://www.bousai.go.jp/hou/daikibo/kentou4/jirei.pdf

人口10万人の架空の市「あんしん市」で災害がおきたケースを想定しながら、被害認定の流れや住民への広報のあり方など、わかりやすく解説をしています。市町村職員だけではなく、一般の人にも、被害認定の基礎知識が学べる資料となっています。一度、のぞいてみてはいかがでしょう。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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