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第42回:「災害イマジネーション」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。昨日(3月20日)は、福岡県西方沖地震発生からちょうど3年目でした。Style FMの防災特別番組に出演させていただき、これまでの防災日記の内容を2時間半にわたっておさらいしました。防災知識は、何度も何度も繰り返して話題にすることが、「防災文化」を根付かせる上で大切なことだと思います。地球環境問題もそうですよね。

さて、今日は、「災害イマジネーション」のお話をしましょう。阪神・淡路大震災を実際に体験された方々の話を聞くと、次に何をやってよいのかわからなかった、先が見えなくて不安だった、という意見を多く聞きます。不安な中で、次々と襲いかかる困難な状況に常に全力で立ち向かわなければならず、気力も体力も消耗します。そうした様子がよく描かれているのが、古谷兎丸さんのコミック「彼女を守る51の方法」(新潮社)です。東京を突然M8の巨大地震が襲うという想定ですが、21才の若い男女が疲労困憊しながら最初の数日間をなんとか生き延びるというストーリーです。

大災害から生き延びる上で必要なのは、平時からの備えですが、そのためには、災害時に自分たちがどういう状況におかれているか、イマジネーションをする必要があります。今はテレビが発達しているから、災害を実際に体験しなくても、映像を見ればわかる、と思われがちですが、未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災でも、テレビが詳細に捉えることができたのは、発生から数時間後の被災地の状況でした。

「イマジネーション」という言葉、最近はプロのスポーツ選手や、宇宙飛行士などがよく口にします。本番の前に、何度も何度も、「自分が置かれるかもしれない好ましくない状況」をイメージし、それに対してどう対処したらよいかを常に考える訓練をしているのです。

「災害イマジネーション」を提唱するのは、東京大学生産技術研究所の目黒公郎教授です。
http://risk-mg.iis.u-tokyo.ac.jp/

目黒教授は言います。「イメージできない状況に対する適切な心がけや準備などは無理である.防災対策を実現する上で最も重要なことは,災害発生時からの時間経過の中で,自分の周辺で何が起こるのかを具体的にイメージできる人をいかに増やすかである.この能力を高める努力をせずに,○○をしなさい、△△をしなさい...的なことを強いたところで,これは心に響かないし,長続きもしない.」

まったくその通りですね。目黒教授が開発した「目黒メソッド」という、災害イマジネーション支援ツールがあります。ちょっとやってみましょうか。
http://risk-mg.iis.u-tokyo.ac.jp/research2/manual/ohyama2002-2004.pdf

 典型的な状況をまず決めます。寝ているとき、家族と朝食の食卓を囲んでいるとき、通勤途中の電車の中、オフィスで、帰宅途中の繁華街で等々。さあ、大地震発生です。震度7!ここからが皆さんの作業。地震発生から,「3秒後,10秒後,1分後,2分後,...,10年後」まで、それぞれの時間帯に、自分の周辺で起こると考えられる事柄を1つ1つ書きこんでいきます。その上で、次のようなことを問いかけていきます。「あなたは何をしなくてはなりませんか?」「あなたに求められるものは何ですか?」「それを実行するためには何が必要ですか?」「今の状況で,それは入手できそうですか?」「できないと思われる場合,それはなぜですか?」

 さて、目黒教授が学生さんや、講演の際など多くの市民の方を対象にこの作業を行ってもらったところ、本当に現実的にイマジネーションを働かせることができた人はほとんどいなかったということです。「家族にけが人が出た」とか、あるいは、そもそも「自分が死ぬかもしれない」という想像はほとんど働かないそうです。教授が、「ところで、何であなたはピンピンしているんですか?」と聞くと、皆答えられないそうです。

目黒教授は、学生さんたちに、「もし自分が亡くなってしまったら、そこで物語を止めるのではなく、君の死を周りの人がどう受けとめて、その後生きていかれるのかを考えて記入しなさい。」と指導します。そのとき彼らは初めて気づくそうです。自分がいかに周りから大切にされ、多くの人たちのサポートを受けて生きているかを、そして自分は死んではいけない存在だということを。この認識が得られると、彼らには、何か防災対策をしなさいなどと言わなくても、自分でできる対策をしっかり考え、具体的に実行に移し出すことができる。
http://e-public.nttdata.co.jp/f/repo/466_j0704/j0704.aspx
目黒教授の「災害イマジネーション」の本当の狙いはこういうところにあるのではないかと思います。

この目黒メソッド、とっても簡単ですので、ご家族や友人の方々と一緒に楽しみながらやってみてはいかがでしょう。相互に意見交換する中で、絆も深まるかもしれませんね。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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