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第41回:「火災合流、火災旋風」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。

今日は、大地震のときに市街地で発生する大火災についてお話しします。市街地で大地震が起きると、あちこちで火災が同時多発します。個々の火災は小さくても火災が合流すると巨大な火炎になることがあります。これが、「火災合流(Merging Fire)」とよばれるものです。

炎上する建物同士の炎が集まり巨大な炎になります。住宅などから出る可燃性ガスが上昇するため、通常よりも高い場所で炎が見られます。炎が巨大になるにつれ可燃性ガスの発生を促し、火災が雪ダルマ式に拡大してゆくのです。火災合流が起きると、延焼速度が高まり、消火は極めて困難になります。

合流した火災による火炎・火の粉・煙・有毒ガスなどが竜巻状の巨大な「つむじ風」となって大きな被害をもたらすことがあります。これが「火災旋風(Fire Whirl)」です。

火災旋風は、あらゆるものをもやし尽くすだけではなく、人や物を吹き飛ばし、その猛烈な風によって急速な延焼を引き起こします。1923年の関東大震災では、人々が避難していた陸軍被服廠(工場)の跡地であった空き地に火災旋風が襲来し、この場所だけで約4万人もの方が亡くなりました。

火災旋風は大規模な火災のときにしばしば発生するものです。上記の通り火災旋風が起きた場合は避難場所も安全では無くなるため、被害が飛躍的に大きくなります。

関東大地震の火災旋風の調査を担当した寺田寅彦は、火災旋風は、10kmの距離に「トタン」板を飛ばし、90kmの遠方に灰を降らせた、と紹介しています。また、江戸時代の大火の記録からも、過去にもこのような旋風があったと紹介しています。 

阪神・淡路大震災は、早朝、無風だったので、火災はそんなに多く発生しませんでしたが、切迫しているといわれる首都直下地震。冬の夕方、風速15m/s時に発生するケースでは、約65万棟が消失すると予想されています。(内閣府の被害想定)
http://www.bousai.go.jp/syuto_higaisoutei/pdf/higai_gaiyou.pdf

火災発生初期の逃げ遅れ、家屋全壊に伴う閉込め、火災延焼時の屋外での逃げまどいにより多数の死傷者が発生することが想定され、最大死者数は約8千人と予想されています。
特に環状6号線から7号線の間を中心に老朽化した木造住宅密集市街地が広がっており、火災が同時多発した場合、消防機関による消火が極めて困難となり、市街地の延焼が拡大する危険性が高くなります、

中央防災会議が決定した「首都直下地震対策大綱」(平成17年9月)によると、火災対策については、次のように書かれています。
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h17/jishin_taikou.pdf

まず、出火防止対策です。建築物の耐震化だけではなく、不燃化の促進も大切です。自動消火装置付きの安全な火気器具の購入を促進したり、通電火災対策を浸透させるなどの対策も重要です。阪神・淡路大震災では、ガス管からガスが漏洩して、そこに回復した電気火花が飛んで火災が発生する、ということもあちらこちらで見られました。

次に、延焼被害を軽減するために、道路・公園等のオープンスペースを確保すること、避難地・延焼遮断帯として機能する河川整備を進めることが大切です。また、避難路が確保されないと逃げ遅れて火災に飲み込まれてしまいます。ブロック塀や自動販売機など、避難路を塞ぐおそれのあるものを点検することも重要です。住宅の耐震化は、この意味からも大切です。

国土交通省では、避難地・避難路の整備、建築物の不燃化・共同化を進めることにより、密集市街地の安全性を高めることとし、最低限の安全性として、密集市街地について不燃領域率40%以上の確保を目指すことを目標にしています。このため、特に緊急性の高い地域を「安全市街地形成重点地区」として指定し、区画整理事業等を推進することにしています。

倒壊家屋の中に閉じ込められて脱出することができず、生きながらに火災に巻き込まれるなどという事態は、絶対に避けたいものです。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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