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第39回:「ドクターヘリ」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。

昔見たテレビ番組「サンダーバード」。秘密基地から発進する各種ハイテクメカで、事故や災害現場にレスキューに向かいます。かっこいいですよね。わが国にも、最近、そのような空飛ぶレスキューが登場しています。「ドクターヘリ」です。

ドクターヘリとは、医師が乗り込み、酸素吸入器や心電図などの医療機器を装備した救急ヘリコプターです。搬送中も気道確保や薬剤投与などの治療を行うことが可能。出動要請から約3分で救急専門医や看護師も同乗して基地病院から出動します。ヘリコプターの巡航速度は、通常、時速約200キロですから、半径50キロ圏内なら15分以内に到着することができます。最近よく耳にする「限界集落」など、山間部等の地上交通の不便な場所にとっては、救急時に医師による治療開始時間や病院への搬送時間を大幅に短縮できる、まさに「空飛ぶ救命室」なのです。

厚生労働省では、2001年度からドクターヘリの導入促進策を講じています。同省の調査によると、2002年の1年間、既にドクターヘリを運用している7県で実際に搬送した1,793人の患者のうち、「救急車による搬送ならば死亡していた」と判断される患者数は計510人。このうち実際に亡くなったのは379人だったので、ドクターヘリによって131人(約26%)の命を救ったことになります。また、救急車による搬送だと、障害が残る重症者は推計226人のところ、実際には140人にとどまり、ヘリ搬送によって38%減少したとみられる。このように、ドクターヘリは、救命率の向上や後遺症の軽減に大きく役立っているのです。

実際、ドクターヘリ先進国であるドイツでは、現在78機によるドクターヘリ救急網を整備し、国内のどこへでも15分以内で駆けつけられる体制を確立。交通事故による死亡者数を、20年間で3分の1にまで激減させるのに成功しています。

しかし、わが国ではドクターヘリが昨年時点で11機が運航するにとどまり、全国的に配備されるには至っていない状況にあることから、昨年6月、「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」という法律が議員立法で成立しています。
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/bill/pdf/h19-103.pdf

この法律は、ドクターヘリを用いた救急医療の全国的な確保を図るため、施策の目標等を定めた上で、費用に関する補助、助成金交付事業を行う法人の登録等について定めています。この法律により、各都道府県では、国の補助を受けて、救命救急センター等の医療機関にドクターヘリを計画的に配備することになります。

ただ、現在、そのような公的なドクターヘリ事業は13道府県、14医療機関で運用されているのみです。九州では、久留米大学病院と長崎医療センターの2カ所だけとなっています。

久留米大学病院のドクターヘリの活動状況をちょっと見てみましょう。
http://www.hosp.kurume-u.ac.jp/drheli/index.html

 久留米からは、福岡県内(北九州市の一部を除く)及び佐賀県内を約20分で全てカバーすることができるそうです。大分県の一部にも出動するそうです。平成17年度のデータでは、ドクターヘリ出動要請件数は現場要請が276件、病院間要請が136件の合計421件と、現場出動件数が病院間出動を大きく上回っていることが特徴です。

上記ホームページでは、実際の搬送事例も紹介されています。交通事故現場に到着したら3名の怪我人がいて、そのうち1名は心肺停止状態になったので、2名だけを搬送、この2名は助かったという、生々しい状況が報告されています。現場で活動されるフライトドクター、フライトナースに頭が下がる思いです。

命を救う救急時には、「緊急情報」「緊急搬送」「救急医療」の3つが必要です。最初の緊急情報は、携帯電話の普及等で、患者からのSOSを、迅速にキャッチすることはできるようになってきています。一方、3番目の「救急医療」は、最近、地域医療の問題として、いろいろと議論になっています。以前ご紹介したDMATは、大規模な事故や災害時の「救急医療」体制を確立しようとするものです。2番目の「緊急搬送」については、雪山で遭難した際に自衛隊や消防等の防災ヘリで救出する場面が報道されますが、これまであまり光が当てられていませんでした。ドクターヘリというのは、「緊急搬送」と「救急医療」の双方を効果的に行おうとする取組なのです。

最近の新聞で、公的な助成を受けない、民間ドクターヘリを導入する病院もあると報道されていました。医療の問題がいろいろと議論されている中、様々な取組によって、一人でも多くの命が助けられるといいですね。それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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