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第36回:「災害時の安否確認」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。今日は、「田中家の悲劇」から始めます。まずはお読みください。

「田中裕さんは,毎日1時間30分かけて大都市に通う会社員である。田中さんの妻,有紀子さんは,自宅からバスで20分ほどの最寄駅の商店街にある店でパートとして働いている。子供の裕一君は地元の小学校に通っている。もし,平日の昼間に大地震が起こった場合…。
会社にいる田中さんは,負傷しなかったものの,交通機関が途絶した中で自宅に帰ることは困難になった。妻の携帯電話や子供の学校に電話したが,全くつながらない。都市内の避難所は,地域住民が対象であり,大量の帰宅困難者を収容する余裕はなかった。
妻有紀子さんも負傷はしなかったが,夫とも学校とも連絡は取れない。せめて近所の人に自宅近くの状況を聞きたいが,電話番号を知っている人もいない。
一方,裕一君のいる小学校では,児童の安否確認,負傷者の手当て,保護者との連絡に追われた。そんな中,学校は避難所として使用されることとなった。市職員も手が回らないため,避難所の運営は学校の職員が当たらなければならない。近所で火災が起こっているらしい煙が見えるが,消防車は来ない。「火事だ」と叫ぶ声が聞こえてきた。」

これは、私が以前「防災白書」に書いたフィクションです。
http://www.bousai.go.jp/hakusho/h15/BOUSAI_2003/html/honmon/index.htm
夕方や夜間だと、裕一君も街なかの塾にいたかもしれません。「一家離散」とはまさにこのことですね。

都市で大地震が発生すると、運良く命が助かったとしても、大量の帰宅困難者が発生します。公共交通機関が動いていない場合は、歩いて帰るしかありませんが、革靴で、ガレキの山をかき分けて何時間も歩けるものではありません。急いで帰ることは、危険でもあるのです。また、ご主人も奥さんも、それぞれの勤務先で、非常時対応の業務に従事しなければならないかもしれません。でも、大切な家族が無事かどうか、確認できなければ会社どころではない、というのも自然な気持ちです。

 実際、3年前の福岡県西方沖地震では、九州地域の携帯電話は地震の発生後の約3時間、ほとんどかからない状態でした。災害時には優先してつながる公衆電話の前には長い行列ができました。昨年の新潟県中越沖地震でも、地震発生直後は、各通信事業会社は最大で約90%の通信規制を行いました。10回中9回は遮断せざるを得ないほど、膨大な通話が殺到したことになります。

 こんなときに覚えておくと便利なのは、阪神・淡路大震災の教訓から導入されたNTTの「災害用伝言ダイヤル」です。171とダイヤルするだけで、被災地以外で通話が混雑しない地域の伝言ダイヤルセンターに繋がり、メッセージの録音・再生ができます。ガイダンスに従ってご自宅の電話番号を入力してから、メッセージを録音または再生します。

いざという時は、171で連絡を取り合うよう伝えていれば、被災者・関係者双方とも、掛かりにくい通話を何度もせず安否連絡ができます。「171」で 特定の人だけにメッセージを伝えたい場合には、暗証番号を設定することができます。メッセージを伝えたい相手には、あらかじめ暗証番号を伝えておきましょう。この「171」、1998年に初運用されて以来、昨年末時点で通算28回運用され、のべ約122万件の利用がありました。

 通常は開設されていませんが、毎月1日には体験運用がなされます。また、NTT西日本のホームページでは、常時 災害用伝言ダイヤルの疑似体験ができます。
http://www.ntt-west.co.jp/dengon/pseudo/index.html

 福岡県西方沖地震では、「171」の認知度が低く、あまり利用されなかったようです。その代わり、幸いなことに携帯メールはほぼ通常通り使用できたため、これが安否確認に威力を発揮したようです。

携帯メールのようなパケット通信は、送受信が一瞬であまり容量をとらないので、音声回線のように厳しい規制がなされない可能性が高いのですが、それでも、地震によるネットワーク障害などで遅延が出ることも想定されますので、過信は禁物です。

近年の災害の教訓から、携帯各社とも、「災害用伝言板サービス」を提供しています。あらかじめ登録した相手に、「無事です」「避難所にいます」などの定型文をクリックするだけで短時間に伝言をメールで送ることができるサービスです。「コメント」を書き足すこともできます。詳しいことは、携帯各社のホームページで確認してください。

何度もこの日記で書いていますが、いざというときのために、平常時から備えておくことが大切です。ご家族の間で、安否確認の方法を決めておきましょう。災害がどのような状態で発生したら、どこで落ち合うかなど、災害イマジネーションを働かせていろいろな約束をしておくことも必要です。また、主な親類とも事前に話をして、その方が安否確認をして他の親族へ伝えてもらうようにするなど、被災地への通話集中を減らす工夫も大事ですね。職場や学校には、緊急電話番号の他に、利用する安否情報メディアも伝えておくと便利です。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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