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第34回:「自然災害の犠牲者ゼロを目指して」
皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。

内閣府は昨年12月18日、「自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指すために早急に取り組むべき施策」を取りまとめました。今日はその内容をご紹介しましょう。
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h19/071218kisya.pdf

 過去10年間に自然災害で犠牲になった方は、1192人もいます。内閣府では、その要因を分類・整理した上で、国民一人ひとりが実際に直面する可能性の高い典型的な被災事例を抽出し、そうした事例について、「何ができていれば犠牲が避けられたのか」という視点に立って、「早急に取り組むべき施策」を取りまとめたものです。

 パターンとして犠牲者が一番多かったのが「台風や大雨の際の外出時の事故」です。台風の際に自分の田んぼを見回っていたおじいさんが誤って水路に転落して亡くなるなどの事例です。過去10年間でこうした犠牲者は172人にも上ります。平成16年台風23号に際しては、犠牲者98人のうち、45人(45.9%)が、外出時に用水路に転落したこと等が原因で死亡し、田んぼや係留している船の見回り等のために外出したことが明らかな犠牲者だけでも、14人(14.3%)に上ります。

こうした危険な外出を避けられるようにするためには、河川の的確な水位情報や浸水情報の提供を充実させることです。すでにこの日記で紹介したとおり、最近は「避難判断水位」など、水位に応じて具体的な危険性をわかりやすく提供するようになってきていますが、平成21年度までに、国直轄河川や主要な都道府県管理河川の全てでこうした水位を設定することにしています。また、一部の河川では「動く浸水想定区域図」を一般提供したり、はん濫区域と水深についての予報を実施していますが、平成24年度までに一級水系の約70%までにこうした取組を広げることにしています。しかし、こうした水害に備えるには、何と言っても地域一体となった取組が必要です。消防団、水防団の活動を充実させ、地域防災力の向上を図ることも重要です。

次に犠牲者が多かったのは、台風や大雨による土砂災害。10年間の犠牲者は160人でした。地すべり、土石流、がけ崩れといった土砂災害は、直撃をうけるとひとたまりもなく、また突発的に発生することから、人的被害につながりやすいのです。

土砂災害の危険性がある場所については、各種法律により、危険区域として指定をするほか、防災対策事業を実施しますが、この区域指定がなかなか進まないのです。地方公共団体と連携して、土砂災害に関する情報を正しく理解し、必要な対策を実施することが何よりも必要です。また、高齢者・障害者の入居施設、防災拠点、避難所などについては、特に重点的に土砂災害対策を実施する必要があり、平成29年度までに5200箇所について対策を実施することにしています。ところで、昨年に限って言えば土砂災害による犠牲者はゼロでした。だからと言って安心はできません。土砂災害への備えを怠らないようにしたいものです。

3番目は豪雪時における除雪中の事故です。昨日も、強い寒気の影響で、北日本を中心に大雪となりました。豪雪地帯では、屋根の雪下ろしなどの除雪作業が日常的に必要になりますが、過去10年で、こうした除雪作業中の死者が113人に上ります。「平成18年豪雪」においては、犠牲者の約3/4が除雪作業中の事故によるもので、うち65歳以上の高齢者が2/3をしめていました。

こうした事故を防ぐためには、無理をせず、地域の助け合いで除雪できるようにすることが大切です。地域住宅交付金を活用し、克雪住宅の整備を支援するなど、行政で支援できることもたくさんありますので、市町村雪対策計画を策定するなどして、地域の実情にあった雪対策に取り組むことが必要です。消防団が災害防除のため除雪・雪下ろし等を実施している地域もあります。

次に地震。この10年間は、地震による犠牲者は風水害ほどではありませんが、それでも90人の方が犠牲になっています。そのうち、意外に多いのが震災後の避難所での関連死です。過去10年で、40人が亡くなっています。「平成16年新潟県中越地震」においては、犠牲者68人のうち13人(19.1%)が避難生活でのストレス等が原因で死亡し、広く地震によるショックやストレス等で死亡した人を含めれば、36人(52.9%)に上ります。

安心して避難生活を送れるようにするためには、避難所等における健康対策を充実させる必要があります。エコノミークラス症候群などの発症予防、食中毒等感染症発生防止、人工透析患者等への医療の確保などが必要です。

また、この日記で繰り返し書いているとおり、地震対策で言えば、犠牲者をゼロにするもっとも効果的な対策は、家や建物が倒壊・延焼しないようにすることです。住宅・建築物の耐震化については、平成27年までに耐震化率9割とするのが政府の目標です。公立学校施設の耐震化も、耐震診断を早急に進め、今後5年を目途に倒壊する危険性の高い公立小中学校施設(約1万棟)を耐震化する計画です。

以上、「犠牲者ゼロ作戦」のいくつかをご紹介してきましたが、いずれにも共通して言えることは、国民の皆さん一人ひとりが日々の備えを充実させること、そして、住民相互の助け合いがとても大切であるということです。自治体、消防、警察、自衛隊、医療機関等による支援も、それぞれが役割分担をして備えを充実させていく、計画的な取組がきわめて重要だと内閣府はまとめています。

きちんとした備えが講じられていれば救われていたはずの生命が失われることがないよう、気持ちを新たにしていきたいと思います。「備えあれば憂いなし」ですね。

それではまた来週。

********
渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、平成18年7月より現職。
関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。日本災害復興学会理事、NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任2年目で、平日は福岡のおいしい魚と焼酎を堪能し、休日はエアロビクスで汗を流す。
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