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第29回:「アジア太平洋水サミットと地球温暖化」
 皆さん、こんにちは。「しぶさん」こと、渋谷和久@国土交通省です。

 去る12月3日、4日と大分県別府市で、「第1回アジア・太平洋水サミット」が開催されました。水の問題を総合的に取り上げる初めての首脳級の会合です。36の国と地域から首脳、研究者が集まり、頻発する水関係の災害防止などについて議論されました。最後に、「我々アジア・太平洋地域のリーダーは・・・洪水、干ばつ、その他水関連災害の発生を防止、削減し、犠牲者を適時に救援、支援できるように、早急に効果的な行動をとる」などの合意を「別府からのメッセージ」として採択しました。
http://www.waterforum.jp/jpn/summit/about/index.html

 アジア・太平洋地域の水害は、世界の他の地域に比べ際だって多いのです。水災害による死者数の何と80%以上がこの地域に集中しています。過去5年間平均で、アジア・太平洋地域から毎年6万人以上の命が水害で失われています。サミットでは、こうした問題に国際協調で取り組むべきといった議論がなされました。

水サミットでも話題になったのが、地球温暖化です。この問題については、国連が設置した世界の科学者からなる「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)という組織で、検討が行われています。先月、IPCCから第4次評価報告書が公表されました。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/index.html

 この報告の特長は、地球の気候システムに温暖化が起きているとほぼ断定していることです。実際、過去100年に、世界平均気温が0.74℃上昇、このうち、最近50年間の傾向は、過去100年のほぼ2倍とされています。100年後の気温上昇は、最も温室効果ガスの排出が少ないシナリオでは1.8℃ですが、最も排出量が多いシナリオでは4.0℃と予測されています。100年後の平均海面水位の上昇は、最も温室効果ガスの排出が少ないシナリオで最大38cm、最も排出量が多いシナリオでは最大59cmと予測されています。これにより、世界の沿岸湿地の約30%が消失するとされています。また、海面水温上昇に伴って、今後の熱帯低気圧(台風及びハリケーン)の強度等が増大し、毎年の洪水被害人口が数百万人単位で増加すると予測されています。

 IPCCの報告書は、全地球的な予測を行っているものですが、この内容を踏まえて、国土交通省では、日本における影響、特に災害面での影響について専門家で検討を行い、11月29日に、「水関連災害分野における地球温暖化に伴う気候変動への適応策のあり方について」の中間とりまとめを公表しています。
http://www.mlit.go.jp/river/press/200707_12/071129-2/index.html

それによると、100年後の我が国の降水量の変化は、現在のおおむね1.1〜1.3倍、最大で1.5倍程度と見込まれています。それでどういうことが起こるのでしょうか。河川では、様々な治水対策を行っていますが、例えば、100年に1回程度起こる降水量を想定して(例えば、福岡を流れる御笠川水系の河川整備基本方針など)対策を行っていても、降水量が1.2倍になれば、20年から40年に1回程度のものに対する安全度しか持たなくなるという具合で、河川の安全度が著しく低下し、浸水・氾濫の頻度が増えることが明らかになりました。

 実際、これまでの30年間を見てみると,最近の10年間では,短時間に集中的に雨が降る事例が明らかに多くなっています(防災白書)。気象庁のデータでは、過去10年で、1時間で50mm以上の雨が観測された回数は3,132回、1時間で100mm以上の雨が観測された事象は51回となっており,前の前の10年間と比べると、それぞれ2倍近く増加しています。

 100年に1回の降水量に備えるという治水の方針が策定されていても、現状ではそこまでの安全度が確保されていない河川が実は大半です。中小河川では、当面の目標が10年に1回、現状はそれ未満というところが多いのです。筑後川のような一級河川でも、方針としては150年に1回へ対応するということにしていますが、当面の計画上の目標は50年に1回程度、現状はまだそれも達成されていません。

 これに対して、諸外国では、例えばイギリスでは、テムズ川の安全度は1000年に1回というレベルで確保されています。しかし、気候変動による海面水位の上昇と急速な宅地開発の影響により、その安全度が100年に1回レベルにまで低下すると推定されていることから、新たな洪水リスク管理計画が検討されています。このあたりの資料は、以下URLでご覧になれます。
http://www.mlit.go.jp/river/press/200707_12/071129-2/ref01.pdf

海岸域では、現在でも海岸侵食が進行しているところもある中で、気候変動による海面水位上昇や、台風の激化などにより、砂浜の消失などが懸念されています。30cmの海面水位の上昇により、我が国の砂浜の約6割が消失するとの予測もあります。

地球温暖化については、実は水サミットと同じ12月3日から、インドネシアのバリ島で国際会議が開催されています。国連の第13回気候変動枠組み条約締約国会議(いわゆるCOP13)です。10年前の京都議定書に続く2013年以降の温暖化防止の枠組みづくりの交渉が精力的に行われています。

地球環境という大きなテーマに対し、私たち一人ひとりができることは、実は特別なことではなく、例えば家族団らんの時間を増やすことで、結果として空いた部屋の照明や暖房を節約することができます。普段から部屋の片づけをこまめにしていれば、掃除機も効果的に使うことができます。年末年始の団らん、大掃除などで、少しでも工夫ができると良いですね。

それでは、また来週。

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渋谷和久(国土交通省九州地方整備局総務部長)
内閣府防災担当企画官、国土交通省都市計画課室長を経て、昨年7月より現職。
関西学院大学災害復興研究所客員研究員。日本自然災害学会、地域安全学会、災害情報学会会員。NPO法人「都市災害に備える技術者の会」企画委員、「東京いのちのポータルサイト」理事、「京都災害ボランティア・ネット」理事。
単身赴任だが、福岡のおいしい魚と焼酎を堪能中。
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